強アルカリ性電解水は、魔法の水?

水を電気分解して作られる強アルカリ性電解水ですが、洗剤やアルコール除菌水のかわりになり、歯を磨いたりうすめれば飲んでもよい。皮膚アレルギーにも効く。など万能水のように紹介されてしまうことがあります。洗剤と同等の洗浄力とアルコールや次亜塩素酸水並みの除菌力があり、洗剤の有害性や塩素の酸化力が無いことがアピールポイントではありますが、薬機法や一般的衛生管理のルールを守り強アルカリ性電解水を有効活用してください。

アルカリ電解水の基本概要を説明させていただきます。

強アルカリ性電解水は電気分解という方法で、作られております。
電気分解とは液体に2つの電極を接触させて電極間に電圧をかけると電源の正極に接続した陽極では溶液内の物質から電子が奪われて酸化が起こり、反対に負極に接続した陰極では物質に電子が与えられて還元が起きる。この結果元の物質が化学分解することを電気分解といいます。
電気分解することで酸性水とアルカリ水が生成されるわけです。通常はこのように酸性水とアルカリ水が同量出来るのですが、弊社の電解原理は特殊な仕組みとなっており酸性水を生成しない、アルカリ水のみを生成する電解セルを採用しております。ただ、電気分解に詳しい方には「うそでしょ?」と信じてもらえないこともしばしばです。

なぜ、酸性水が出ないのか?その理由は2つあります。ひとつは電気分解で使用する膜が特殊な膜であること。そしてもうひとつは電気分解で必要な電解助剤が塩でないこと。膜は陽イオン交換膜というものを、電解助剤は炭酸カリウムを使用しております。炭酸カリウム(K2CO3)を電気分解するとカリウムと水素、酸素、炭酸ガスが発生します。その時にカリウムイオンだけ(カリウムが析出している溶液の水は通さない)が、膜を通過して対極側に移動します。酸性の炭酸ガスは気体として放出されてしまい酸性水は発生しません。塩でも電気分解することもできますが、人体に危険な塩素ガスが発生してしまいますので対策が必要です。

強アルカリ性電解水を生成する方法は、なんとなくおわかりいただけたでしょうか?
私たちが開発した生成装置はpH13以上という強アルカリ水を生成することができます。pH13あると、危険な化学薬品で落とすようなしつこい油汚れや食品衛生の強敵となるアルコールでも殺せない菌(薬機法の関係で特定の菌を表記できません)の除菌に使用されます。有害性のある洗剤や腐食性のある塩素系殺菌剤を削減することができ、食品工場などでは排水の削減や作業員の労災リスクを低減するなど様々な利点があります。ただしすべての汚れや菌に効くものではなく、間違ったアピールや推奨が強アルカリ性電解水の普及に逆効果となる場合があり正しい効果・利点をお伝えすることが大切であると考えております。

例えばカルキ汚れなどは酸性のほうが落ちる汚れです。アルカリ性では消臭できない成分などもあり、強アルカリ性電解水の適切な場面や使用方法をお伝えしたうえで、私たちは強アルカリ性電解水の有効性や世の中の様々な課題解決に貢献できることを広めてまいります。