HACCPの施行により、衛生管理の強化とともに現場の安全・安心にも関心が高まっております。強アルカ性リ電解水はHACCPの土台をなす一般的衛生管理や食品安全対策としての前提条件プログラム(以下、PRP)における導入・使用から、よりハイレベルの衛生管理構築に貢献することができます。強アルカリ性電解水はPRPの中心である「清掃」「洗浄」「殺菌」のうち、「清掃」「洗浄」に直接的に関わり、さらにその後の殺菌効果を高めることにもつながる衛生管理の柱となる工程で使用することができます。

清掃は洗浄の前作業であり、殺菌は洗浄の仕上げ作業でもある。
このことからも「清掃」「洗浄」で清浄度を高めることが、衛生管理の最終工程である「殺菌」をより効果的にすることができる。効果的とは、アルコールなどの使用量を適正にし殺菌力を保持し機器や設備の保全性を維持することであり、総合的な排水量の削減や時間短縮に寄与することを指しております。

「殺菌してもカビがすぐに再発生」「ATPの測定値が基準値まで下がらない」「腐食やサビを抑えたい」などの課題では、洗浄不良のまま「殺菌」をしたり、「洗浄」で殺菌剤を用いるなど非効率な衛生管理につながる方法で「洗浄」に取り組まれているケースがある。洗浄のみを行っても、微生物レベルでほぼ90%を除去(一般生菌数・真菌数・大腸菌群数)できることが実証されており、殺菌工程への負荷を最大限減らすことで、より清潔な環境を実現できる。さらに、微生物の菌体は死滅しても残存する。残存菌体は、アレルゲンになったり、その中に毒素を含んでいたりするので、殺菌処理は最後の手段と考え、その前に清掃・洗浄などにより微生物数を減少させておくことが重要である。このように「洗浄」で微生物の棲み家となる汚染源(ATP)をできるだけ除去することで微生物が活動しにくい環境となり、再発生・再繁殖を遅らせることにもつながる。逆に、非効率な衛生管理とは洗浄を軽視し汚染源を除去しないまま殺菌することであり、殺菌効果はあっても一時的であり微生物が繁殖しやすい環境はそのまま残っているので、ATPの数値が下がらないことやすぐに菌数が増えることにつながる。 また、食品工場の冷蔵室のドアノブの清浄度試験(ATP)では、洗浄前のRLU量に対しSAIWで洗浄後は約90%のRLU量低下となり「洗浄」は微生物削減の有効な手段であると考えられる。